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書評

【おすすめ漫画】アンゴルモア元寇合戦記【現代の元寇の捉え方】

こんにちは、Mitoです。
年齢を重ねるにつれ歴史モノコミックが面白く感じるようになります。

今回は王道戦国歴史モノでありながら漫画としてあまり取り上げてこられなかった鎌倉時代の元寇をフューチャーした『アンゴルモア元寇合戦記』についご紹介します。

『アンゴルモア元寇合戦記』について

2013年より隔月刊漫画雑誌『サムライエース』で連載開始され、同紙休刊によりコミックポータルサイト『ComicWalker』に移り完結した作品です。

コミックスは全10巻まで出ていますが、続編として博多編が引き続き『ComicWalker』で連載中です。

作者のたかぎ七彦先生は横山光輝先生の三国志の影響を受けたということで、生粋の歴史漫画好きなのだなと伝わってきます。

あらすじ

金田城の景色

時は1274年、鎌倉時代。幕府の御家人であった朽井迅三郎(くちいじんざぶろう)は内紛の末、罪人として対馬へ流刑される。対馬に着くなり蒙古の大軍勢が島に迫っていて罪人たちは戦闘要員として島に送られたことを告げられた。

迅三郎は島の住民や送られた罪人たちと共に、圧倒的不利の状況のなか蒙古との闘いを始めるのであった。

物語の魅力について

この物語は一所懸命がキーワードになっています。語源も鎌倉時代に時の将軍、源頼朝から与えられた領地(一所)を懸命に守ること。であり巧みに時代背景を活かしたキーワードを織り交ぜているあたりに物語に厚みを持たせています。


さて、元々の自分の領地を失った迅三郎は対馬での戦いの中で自分の一所はどこにあるのかを探すようになります。歴史モノっていうのは史実と史実の間の空白にいかに壮大な物語を盛り込むかが醍醐味だと思っています。


その点、日本側の大将軍、少弐景資(しょうにかげすけ)や安徳帝が迅三郎の前に現れるシーンは物語を壮大に展開させるのに充分です。

現代の元寇の捉え方

私が子供の頃(ン十年前)、教科書に載っていた元寇を思い出してみると圧倒的軍勢のモンゴル帝国が海を渡り日本に攻めてきたが、途中日本海の嵐にのまれ大半の軍勢を失い日本侵略は失敗に終わった。後にこの出来事から神風(カミカゼ)という言葉が生まれた、って感じだったと思います。

蒙古襲来合戦絵巻 国立国会図書館ウェブサイトより引用


教科書にあった一騎の日本武士と複数人の火薬を持った蒙古軍の挿絵を見たときに、

Mito

これ騎馬のほうがどう見ても強いでしょ。

と友人と話していた記憶がよみがえります。

最近ではそもそも日本の武士が強かったんじゃね?とか蒙古軍っていうか高麗(の農民)軍だよね。という見方も出てきたようです。
小学生の頃の直感もあながち間違っていなかったんですね。

そんな解釈の中から朽井迅三郎という達人級の武士が生まれたとすると感慨深いものがあります。

まとめ

『アンゴルモア元寇合戦記』は10巻で対馬編の完結というかたちで幕を閉じましたが、正直現在連載中の博多編こそ戦いの本編になるであろう勢いです。

2018年にはアニメ化もされて人気に一層火が付いたのか、博多編前にブーストする為にもアニメ化したのかは定かでありませんが相乗効果で見事アンゴルモアは人気作品になったのかなと思います。

博多編は蒙古襲来絵詞を作ったあの竹崎季長(たけざき すえなが)も登場し、迅三郎も博多にたどり着きました。2021年9月現在4巻まで発売されており、役者がそろってきたところでいよいよ蒙古との本格戦闘に入り一層盛り上がりを見せることでしょう。

ご興味を持たれた方はぜひご一読下さい。